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2010年11月01日

ランドセル市場に異変、ある文具がカギに!年々早まる購入のワケは

販売チャネルは量販が圧倒的、その理由として、若松専務は「多カラー化で、陳列スペースが必要なことに対応しているため」だという(1日大手町)

協和は、「こば」と呼ばれる縫い代をなくした製法の特許を取得し、より軽量化したランドセルを発売している

 新入学の華、ランドセル。近年は軽さが売れ筋の要素と思いきや、今年の商戦には異変が起きているという。鍵を握るのはある文具だった。

 ランドセルメーカーの協和(東京都千代田区)によると、「ほとんどの保護者がランドセルに付加されている機能で重視するポイントとして、軽さをあげます」。子供の負担を減らそうという親心をのぞかせる。

 ところが、今年の商戦では、「A4のクリアホルダーやファイルが入るかどうか」が注目されている。きっかけは、大手GMSのイオンがA4クリアファイルが入ると、テレビCMで打ち出したことで関心が急上昇し、業界全体に影響を与えているという。

 先生がパソコンで作るプリントがA4サイズのため、A4ファイルが入るランドセルの必要性は数年前から業界でいわれてきたことだ。

 さらに、販売時期も変化している。協和の若松秀夫専務は「従来は、七五三の時期にあたる11月中旬から始まるとされていたが、昨年は9月から店頭に並び、今年は8月から販売されている」と、早期購入の傾向を語る。

 その理由として、ランドセルの多様化がある。特にイオンが24色を打ち出したことでカラー化が進み、かつ素材の99%を占める人工皮革はロットの問題でリピート発注が難しく、人気のカラーは早くから売り切れてしまうという事情から、購入の早期化が進んでいるという。

 協和では、A4サイズはもちろんのこと、A4のクリアファイルも入る「ふわりぃランドセル」のほか、イタリアから取り寄せた日本で唯一のミシンを用いて、独自の製法で内寸を一回り大きくし軽量化にも成功した「ふわりぃコンパクトワイド」も製造。

 また、パーツ毎に12色から好きな色を割り当てたり、好みの機能・デザインを選ぶことの出来る「オーダーメイドランドセル」も販売し、障害を持つ学童にも喜ばれており、多様化する市場に対応している。

 ランドセル市場は、2010年度の入学予定児童数109万8368人に対して、簡易ランドセル使用者を除くと約100万個で、デフレにもかかわらず安定した価格を維持しているという。
 
 

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