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背負う夢を叶えるため、軽さに取り組む 障害児用ランドセルを作る 

2010年12月15日

両肩で背負うことができないため、一方の肩で背負い、胸の前で固定するベルトを装着したオーダーメイドランドセル

全肢連の上野常務理事(左)と協和若松専務

 ランドセルといえば、ピカピカの1年生をイメージさせる新入学の華。今年も全国で約110万人の学童がランドセルを背負って新生活を開始した。しかし、背負う夢をあきらめてしまうこども達もいる。

 ランドセルメーカーの協和(東京千代田区)は、12月13日、都内で障害児用オーダーメイドランドセルの発表会を開き、障害児の現状と支援する会の取り組みの一端が紹介された。

 同席した社団法人全国肢体不自由児・者父母の会連合会(全肢連)の上野密常務理事は、「平成21年度で、身体に何らかの障害を持つ小学校と特別支援学校に就学予定の新1年生は、全国で3万7480人います」と語る。

 そのような中でランドセルを作り続けて60年の歴史を持つ協和では、「1999年から障害児用のランドセル作りに取り組み、現在まで3000個以上を作った」(若松秀夫専務)。

 2007年に特別支援教育が実施されたことで、障害を持つ児童の通常学級への通学機会が拡大。保護者から「障害があるが、どうしてもランドセルを背負わせたい」という多くの問い合わせがある。今も年間約200名の注文があるという。

 身体に何らかの障害がある場合、市販のランドセルでは上手く使用できない。課題となるのは軽量化だ。

「まずほとんどの児童が体力がないため、軽くすること。二つ目は歩行困難な児童のために身体にぴったりとフィットさせること、三つ目は握力がないため操作性を簡単にすること、最後は皮膚が過敏な場合に備えて、身体にやさしい素材を用いること」と、若松専務は製造を継続する中で4つの課題が見えてきた。これらは健常者にとってもすべて良いことだ。

 同社は、素材、構造から製法まで徹底した研究・開発を行うことで、より軽くて使いやすいランドセルを製作。今年もさらに軽量化を実現した。

 記者も実際に障害児用ランドセルを持ち上げてみて、軽さを実感した。4タイプすべての重量が1キロ以下で、仕様によって変わるが約740gからある。オーダーメイドでありながら、価格も一般のランドセルとほぼ同等で提供している他、年1回チャリティーフリーマーケットの売上全額を全肢連に寄付している。

 会見場では、オーダーメイドランドセルを注文した保護者や学童自身から手紙がファイルに整理されており、感謝の言葉が綴られた。

 同社では、新入学シーズンを前に「健常者ばかりでなく、不自由なピカピカの1年生にも関心をもっていただければ」と語る。全肢連によると、18歳以上の肢体不自由者は全国に178万人いるという。 

【問い合わせ】協和 電話 03-3866-7478

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