新型コロナウイルスの感染拡大防止が、文具業界の見本市にも大きな影響を与えている。中止が続く中、大都市圏ではオンラインへの切り替えも始まっている。
政府は、7月10日、イベント人数制限の段階的な緩和とその留意点を各都道府県に通知し、屋内、屋外ともに5,000人以下のイベントについて、具体的な目安を明らかにした。
文具業界の見本市は「ヒト、モノ、カネ」が集まり、明治時代から長い伝統を誇るが、その反面、同じ形態で商談会を続けており、突然の感染防止に対応するのは難しいのが現状だ。
そんな中、大阪で夏の恒例となっていた見本市「文紙MESSE」を主催する文紙MESSE協議会は、リアルな見本市からWebによる見本市に切り替える。
会期は、2020年8月1日(土)10時~8月31日(月)までとし、会期中のべ来場閲覧者10万人(業界関係者2万人+一般ユーザー8万人)を目標にする。
Web上にリアルな見本市と同様に各出展社のブースを配置し、そこから各社の最新製品へと誘導したり、見本市全体でのイベントを企画する。
また、7月に開催予定だった「第30回2020年夏の文紙フェア」を主催する、ステーショナリー情報委員会も、新型コロナウイルスの感染が拡大している状況を鑑み、東京・浅草橋での開催を中止。
7月22日(水)から、新たにWebにより、出展各社の新製品・イチ押し商品を動画で紹介するほか、パンフレットのダウンロードサービスを用意する予定。動画配信出展社数は40社で、出展社の新製品・イチ押し商品を紹介する。
また、文具王 高畑正幸氏による、文紙フェアオリジナルWeb講演会を7月末から8月上旬ごろに開始する予定(youtube動画で約60分)。
文具卸最大規模の見本市を開催する、エコール流通グループも今年9月に東京で予定されていた見本市を中止し、専用サイト「エコール秋のWeb大見本市」を開設予定で、販売店に商品情報を届ける。
一方で、文具卸のエムディーエスは、7月都内で、感染予防策を徹底し、来場人数の制限によるリアル見本市を開催。会場内から、YouTubeによる出展製品のライブ配信も行う折衷スタイルで行った。
コロナ禍以前から、業界関係者向け見本市は集客数が落ち込み、従来型からの脱皮が課題とされていた。今回の突然の事態に「見本市のスタイルを大きく変えるチャンス」(文具メーカー)と、歓迎する声も出ており、取り組みが注目される。
【Web-文紙MESSE2020】(8月1日(土)~8月31日(月))
https://www.bunshi-messe.com/
【第30回2020年夏の文紙フェア】(7月22日(水)~8月31日(月))※期間を延長する場合あり
https://www.bunshi-fair.com/
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2020年07月15日
文具見本市 コロナ禍でオンライン商談会にシフト 【Web-文紙MESSE2020】【2020年夏の文紙フェア】
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