9月は全国で文具卸の見本市が開かれる季節。記者が訪れた会場すべてで話題になっていたのは、大手日刊紙の記事について。一体、何が注目されたのか?
9月初旬、大手経済紙土曜版で「進化する文具」についてのランキング10商品が紹介されたところ、該当するメーカーや文具店に対して記事を読んだ一般客などからの問い合わせが相次いだ。
ある卸幹部は、「片手で軽々と40枚まで綴じられるホチキスの問い合わせが3日間で百数十件あった」と、急遽ランキング商品を集めたコーナー提案を見本市会場で行ない、好評だった。
別の会場でも主催者挨拶で、「文具がこのように取り上げられるのは大変喜ばしいこと」と触れ、商品と共に新聞記事の切り抜きが添えられた。あるメーカーのお客様相談室にも「どこで買えるか」と問い合わせが続いた。
これまでもテレビ局や新聞、雑誌による最新文具の紹介は多かったが、ちょうど見本市時期と絶妙のタイミングで重なり、商談に繋がるケースも多かった。
確かにここ数年のニッポン文具のイノベーションはめざましい。
例えば、セロテープの切り口に発生するギザギザをなくし直線にしたテープカッター。一体どんな用途があるのかと思うのだが、「ラッピングを留めたりするギフト関係のお店からとても喜ばれている」(メーカー)。
オフィス用品だけでなく、学童向け文具でも従来のコンパスや定規を見直す、いわば「定番のイノベーション化」が地道に進められている。
一方で、卸社長は「業界人なら当たり前の商品でも、『こんな商品があったのか』というユーザーの声を多数聞くにつれ、このギャップを何とかして埋めていく必要がある」と朝礼でハッパをかけた。
掲載されながらもショックだったメーカーもある。「営業で繰り返し紹介しているのに、記事で初めて知ったという販売店からの問い合わせには、正直複雑な気持ちだ」(メーカー幹部)。
こちらは別の意味でギャップの根が深い。
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2010年09月16日